第99回 :人類学的な「わかりかた」〜その柔軟さがもたらす可能性〜 (アーカイブ動画公開中)【無料】

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昨年6月に開催したJMRX「人類学におけるエスノグラフィとリサーチ」では、人類学者の比嘉夏子さん(北陸先端科学技術大学院大学)とMR(マーケティングリサーチ)などを行う渡辺隆史さん(UCI Lab.)で、ジャカルタでの共同自主調査をケースに、「人類学におけるエスノグラフィとは何か?」「“ビジネスエスノグラフィ”との違い」についてお話しいただきました。

人類学に魅力を感じる一方、効率や事前計画が重視される現場においては“ビジネスエスノグラフィ”でさえ導入が難しいといった感想もありました。

その後の約1年で、実際に3つのビジネスプロジェクト(クライアントワーク)を協働し、毎回新しい試みを取り入れながら、お互いへの理解を深め新たな可能性を探ってきました。

そこで得たのは、ビジネス/MRにおいても、調査の設計や手法・プロセスの枠組みに、多様な「柔軟さ」を組み入れることが、データ/分析の質や結果に影響するということでした。

今回はこれらの実践から得た具体的な気づきを共有しながら、表層的な手法の導入を越えた本質的な「人類学における『わかりかた』」に迫り、そのビジネスにおける意義を考えます。さらにそこからMR(デザインリサーチ含む)側に潜む見えない前提やその先にある可能性についても話し合ってみたいと思います。

■スピーカー
比嘉 夏子 氏
人類学者・北陸先端科学技術大学院大学 知識科学系 助教

渡辺 隆史 氏
User Centered INNOVATOR・株式会社YRK and / UCI Lab. 所長

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【概要】
日時:5月9日(木)
講演 19:00~20:30

会場:麹町 株式会社マーケティングアプリケーションズ

■講師略歴
比嘉夏子氏:北陸先端科学技術大学院大学 知識科学系 助教/京都大学博士(人間・環境学)/人類学者

トンガ王国をはじめとするオセアニア島嶼地域において、長期にわたるフィールドワークを実施し、現地の人びとの所有観や相互行為について研究してきた。著書に『贈与とふるまいの人類学—トンガ王国の〈経済〉実践—』(京都大学学術出版会)など。京都大学大学院を修了後は、日本学術振興会特別研究員(PD)、京都大学研究員を経て、一般社団法人の社会調査プロジェクトに参画し、調査設計から実施までをリード。現在ではUCI Lab.とのプロジェクトだけでなく、デザインコンサルティング会社との共同研究等にも従事しており、手法としての”エスノグラフィ”の応用可能性を模索中。現場に寄り添い、多様な人びとと協働するなかで、人類学の思想や手法を展開することを目指している。

渡辺隆史氏:UCI Lab. 所長(株式会社YRK and)/経営修士(専門職)/User Centered INNOVATOR

立命館大学国際関係学部卒業後、マーケティング会社の株式会社ヤラカス舘(現 株式会社YRK and)に入社。プランナーとして、外資系消費財メーカーや国内スポーツ用品メーカーなどのプロモーション企画や調査を手掛ける。2010年、立命館大学大学院経営管理研究科(MBA)修了。2012年、社内新規事業としてクライアント企業のイノベーション支援を行う「UCI Lab.」を立ち上げ。技術と生活者の現場の対話から新しい価値を生み出し具現化させる「User Centered Innovation」を提唱し、家電や化粧品から街区づくりまでの幅広いテーマについて、商品企画部門や先行技術開発部門などへの伴走型のプロセスコンサルテーションを実施。生活者起点で商品・サービスの価値を創造するプロジェクトを多数手がけている。

 

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